最近、新型コロナウィルスの大規模接種会場への派遣でよく耳にするようになった自衛隊看護師について、どのようなイメージがありますか?
普段はどのような仕事をしていて、どうやったらなれるのか。
ここでは、あまり知られていない自衛隊看護師について5年間勤務した経験のある筆者が説明します。
(文:元自nurse)
自衛隊看護師とは
自衛隊では医師は医官、薬剤師は薬剤官、看護師は看護官と呼ばれ、病院や医務室で働く医療従事者をまとめて医療班や衛生班、衛生員と呼びます。
ちなみに呼び方の違いは陸海空自衛隊や基地によって様々です。
自衛隊病院や基地の医務室、船や航空機に搭乗する隊員など多くの勤務地があります。
主な仕事内容は、隊員の健康管理や看護業務、災害支援、国際平和協力活動などがあります。
自衛隊看護師になるには
自衛隊の看護師は自衛官看護師と技官看護師の2種類があります。
自衛官看護師になる3つの方法
自衛官看護師になるためには3通りの方法があります。
① 防衛医科大学校看護学科に入学する
大学ですので4年かけて正看護師免許の取得ができます。
② 一般曹候補生で入隊する
まずは自衛官として入隊、訓練を行いその後希望と適正で看護の道に進む方法です。
2年間かけて准看護師免許が取得できます。
③ 公募入隊をする
自衛隊以外の学校で正看護師免許を取得後、途中の階級から入隊することができる方法です。
全てに共通することは、衣食住にほとんどお金がかからず、わずかですが給与、ボーナスをもらいながら勉強、資格の取得ができることです。
ただ、学生である前に自衛官ですのでもちろん体力錬成、訓練もついてきます。
技官看護師になる方法
技官看護師になるためには、正看護師免許を持った方が一般募集に応募、受験してなることができます。
技官看護師は基本的には病院で勤務し、自衛隊以外の病院の業務とさほど変わりはありません。自衛官ではないので制服は着ませんし、訓練もありません。
自衛隊看護師の仕事内容
基本的な仕事内容は、隊員の健康管理をすることです。
病院では診察の介助、看護と自衛隊以外の病院の業務とさほど変わりはありませんが、医務室で勤務すると、健康診断や環境、食品衛生管理が主な仕事です。
なぜなら、健康でなければ任務ができないからです。
健康診断は年に1回全隊員が受け、その他に特別健康診断もあります。
普段の業務で、特に騒音の中で業務をする人(エンジンに関わる人など)や圧がかかる業務をする人(飛行機に乗る人など)他にも多くの対象項目はありますが、このような隊員はさらに健康診断の項目を増やして検査をします。
環境、食品衛生管理については、新型コロナウイルスだけでなく、毎年流行するインフルエンザやノロウイルスなどの集団感染を防ぐため、隊員や調理員への教育、検査を行なっています。
その他にも、海上自衛隊ですと、船や潜水艦に乗って勤務をし、長期の出港もあります。
また、機上救護員といってヘリコプターに乗って任務する人もいます。
ドクターヘリと違う点は、看護官もダイバーの資格を取得し、ヘリに収容する救助活動も行う点です。
自衛隊看護師の給与
階級にもよりますが最初は月給20万円弱くらいです。
ボーナスは約2ヶ月分、年2回支給され、昇給は年に1回あり、階級が上がるごとに高くなっていきます。
病院勤務ですと夜勤手当、船や航空機に乗ると乗組手当、危険手当などがつきます。
公務員ですので、すごく高いわけではありませんが、安定しています。
自衛隊看護師の福利厚生
福利厚生は充実しています。
寮や社宅を利用でき、各種保険、手当はもちろん、ベネフィットを利用できるため、普段のショッピングやテーマパークで利用できる様々なクーポンがあり、お得に買い物や家族、友人と楽しむことができます。
また、子育て中の方も多いため子育てに対しての理解もあります。
近年はライフワークバランスに力を入れているため、男性の育休取得を推奨していたり、介護休暇の取得など働きやすい環境になってきています。
自衛隊看護師の転勤、派遣
転勤は3〜5年に一度あります。
転勤範囲は、幹部自衛官は全国転勤。曹、士自衛官は大まかにいうと関東エリア、関西エリアと決まってますが、それに当てはまらない場合も多々あります。
転勤に家族がついていく場合は家族の引っ越し費用も出るようです。単身赴任をする場合は単身赴任手当が出ます。
派遣については、国際協力活動に派遣される場合は事前に知らされますが、災害の場合はもちろん、いつ起きるかわからないので急遽、派遣が決まります。
自衛隊看護師の休日、休暇
基本的には週休2日、土日祝日休みのカレンダー通りです。
しかし、シフト制の部署や当直があるところはその限りではありません。
ゴールデンウィークや夏季、冬季休暇も長期の派遣などの勤務が重なっていなければしっかり取得できます。
さいごに
辛い訓練、勤務も多々ありますが必ず仲間がいます。
終わった後は辛かったことも忘れるくらいみんなで楽しむことが多いです。
派遣中も国民の方の支援に携われている充実感とやりがいを感じます。
そして、自衛官看護師になるともちろん射撃訓練もあり、実弾を撃ちます。
自衛官以外の方では体験できないことも多くあるため貴重な経験、自慢にもなります。
少しでも興味があれば、全国各地に自衛隊地方協力本部があります。気軽に訪問してみてパンフレットをもらったり、話を聞いてみてください。
オススメの転職サイト5選
看護師転職サイトは数多くあり、「どれに登録するか悩む…」という方が多いので、
口コミなどからオススメの5サイトをまとめました!
各サイトの詳細は、こちらの記事で紹介しています^^