保育園看護師とは
働く女性、共働き家庭が増えたことにより、子供が小さい頃から保育園を利用される方が多くなりました。
待機児童問題なども発生しており、働く親にとって保育園の重要性は高くなっています。
そんな中でも、保育園看護師の存在はあまり認知されていないように感じます。
厚生労働省は『乳児4人以上を入所させる保育所に係る保育士の数の算定について、当該保育所に勤務する保健師又は看護師に加え、当該保育所に勤務する准看護師についても、1人に限って、保育士1人とみなすことができる』としています。
しかし、保健師や看護師の配置を義務化しているわけではなく、実際に看護師が勤務している保育園はとても少ないです。
小さい子供は自分で体の不調を訴えることができません。
ちょっとした変化から子供の不調に気が付くことは保育士にも可能でしょう。
しかし、それが受診の必要があるのか、様子をみてもいいのかを判断するのは保育士には困難です。
また、大きな病気の徴候の可能性もあります。
保育園の重要性が高くなったことで、保育園看護師の必要性も高まっています。
保育園看護師の仕事内容
〇子供達の日々の体調管理、内服の確認や軟膏の塗布
体温など、必要なバイタルサイン測定を行い、日々の子供達の体調の管理を行います。
アレルギーや持病のある子供は注意して観察する必要があります。
風邪薬など医師から処方された薬の内服の確認、オムツかぶれなどの皮膚トラブルのある子は軟膏の塗布も行います。
〇環境管理、感染症の予防
子供達はマスクをすることも難しく、手洗いやうがいなども不十分なことが多いです、そのため、保育園は感染症が流行りやすい環境です。おもちゃや子供達がよく触れるところの消毒をします。
嘔吐や下痢をしてしまったときに適切に処理したり、その方法を保育士に指導したりします。
また、プールの時期や乾燥する冬に流行りやすい感染症もあります。
温度や湿度、換気などの環境管理も必要です。
〇職員の体調管理
保育士の体調確認や健康面での相談を受けます。
健康診断結果などから健康面でのアドバイスも行います。
〇保険だよりなどを通した家庭への情報発信
定期的にお便りを発行して、その時期の健康に関する情報を発信します。
〇保護者からの相談を受ける、アドバイスをする
保護者から子供の健康面での相談を受けたり、必要そうな家庭には看護師から声をかけてアドバイスをしたりします。
発達面での気づきも必要です。検診では気が付けない発達の遅れや異常に早期に気が付き、適切な対応につなげていきます。
〇保育の補助
日常的には保育士と一緒に保育にあたります。
一緒に遊んだり、食事の介助やお昼寝の寝かしつけをしたり、トイレの介助なども行います。
保育園看護師になるには
国家資格である看護師の資格が必要になります。
准看護師でも勤務は可能ですが、正看護師が求められることが多いようです。
看護師以外に特別な資格はいりません。
保育士の資格は不要です。
しかし、看護師の資格があっても、子供と大人では症状のあらわれ方からその対応まで全く違います。
小児科での勤務経験が求められることもあるようです。
保育園看護師になるメリット
〇夜勤がなく残業が少ない、祝日や日曜日はお休み
病院とは違い、緊急入院や急変は起こりません。
怪我をした子供の病院の付き添いをする場合もありますが、基本的には保護者が行います。
その為、残業はほとんどなく定時で仕事を終えることができます。
看護師の仕事で定時に終われるのはかなり稀です。
また、保育園がお休みになる祝日や日曜簿はお休みになるので予定もたてやすいです。
〇元気な子供たちのお世話ができる
病院で勤務していると、生死に関わる場面があり、どうにもならないような悲しいできごとがたくさんあります。
心がすり減っていく感覚を覚えます。
元気な子供達のお世話をしながら成長を見られることはとても嬉しく、楽しい日々になります。
〇医療行為が少ない
医療行為は緊張の連続です。
上手くいかないと大きなストレスを感じます。
採血や点滴をするときに血管に針を刺しますが「一回で入れてね」なんて言う患者さんもいます。
経験をつんでも上手くならない人もいるので、医療行為が少ないというのは大きなメリットかもしれません。
保育園看護師になるデメリット
残業や夜勤がないので給料も安めになります。
医療行為はないですが、看護師は一人しかいない場合がほとんどなので、責任は重くなります。
ある程度経験がないと判断が難しい場面も多くなります。
雑務が多く、せっかくの看護師の資格を生かす場面は少なくなります。
まとめ
保育園看護師はまだまだ数が少なく、認知度も低いです。
保護者が安心して子供を預けて仕事ができるように今後どんどん増えていくことが望まれます。
また、医療ケアが必要な子供はたくさんいます。
経管栄養をしていたり、定期的に痰の吸引が必要だったり。
そういった子達は家庭で親が看るのがあたりまえと考えられていますが、保育園看護師が一般的になれば、他の子供達と混ざって保育園で生活することが可能になります。
それは医療ケアが必要な子供にとっても、他の子供にとっても、良い関わりになるとのではないでしょうか。
(文:看護師chiyoiyo)
(参考:厚生労働省㏋ https://www.mhlw.go.jp/index.html )
※掲載した情報は記事作成日(または更新日)時点のものです。制度・法の改定や改正などによって最新のものでない可能性があります。
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