遊園地などのテーマパークに遊びに行って、体調が悪くなったり、ケガをしたりして、救護室を利用したことはありますか?
せっかく遊びにきたのに体調が悪くなるなんて、最悪ですよね。
そんなときに救護室で優しい対応をしてもらえたら、最悪の思い出も少しはましになるのではないでしょうか?
テーマパークの救護室に医師がいることはほとんどありませんが、看護師が常駐していることはあります。
非日常の場所であるテーマパークではいつもと違う環境で気持ちが高ぶり、体調が悪くなることはよくあります。
また、転んでケガをしてしまう子供もたくさんいます。
そんなときの対応を行うのがテーマパーク看護師です。
テーマパーク看護師の仕事について
前提として、テーマパークの救護室に医師はいないので薬の処方ができません。
救護室にあるのは市販の薬です。
看護師は医師の指示に従い、医療を行うので、医師の指示がないと薬を選ぶこともできません。
その為、薬が必要な場合はご本人や家族に選んでもらうことになります。
・ケガの応急処置
特に転倒によるケガが多いのが開園時間です。
嬉しくて走って入園して転んでしまう人が多いのです。
パレードやショーなど、人が多く集まる時やそれが終わった時もケガをする人も多いです。
その為、それらの時間はケガした人が来ることを想定しておきます。
また、ケガをする人が多い場合は動線などの環境的要因について助言する必要もあります。
創部を洗浄し、止血を確認し、保護することが基本となります。
必要な場合は市販の軟膏を選択して頂き塗布します。
創が深く、縫合が必要な場合は近くの病院を紹介する場合もあります。
・体調不良の方の対応
体調が悪くなってしまった方がいた場合、一時的な休息で改善しそうな場合はベッドを提供し休んで頂きます。
リネンの管理など、その環境を整えておくのも看護師の仕事です。
救護室にたどり着けない程の状況になる方もいます。
アトラクションなどの刺激でてんかん発作や痙攣を起こしてしまうこともあります。
車椅子や担架の準備も必要です。
AEDを含めた救急セットを持ち、その人のところまで看護師が向かうこともあります。
動かしていい状態か、救急車を要請しその場で待つべきかを判断します。
・持病がある方の対応とその準備
テーマパークに来るのは健康な方だけではありません。
呼吸器をつけている方、在宅酸素を使用している方、障がい者施設の方が遠足などで利用される場合もあります。
そういった場合は事前にテーマパークに連絡が入ることがあります。
必要な準備をして起こりうる有事に備えます。
・テーマパークスタッフの手伝い
テーマパークによっては開園時に他のスタッフと一緒に手を振ってお客さんを出迎えたり、パレードやショーの時の誘導をしたり、スタッフのお手伝いをすることもあります。
テーマパークに看護師になるには
テーマパーク看護師になるには看護師資格が必要です。
他に特別な資格は必要ありません。
しかし、看護師資格を取得したばかりの新卒の看護師がテーマパーク看護師になるのは難しいと思います。
テーマパークでは、外傷や持病の悪化、原因のわからない突然の体調不良など、看なくてはいけない症状は多岐にわたります。
ある程度の看護師経験が必要になると思います。
求人はあまり多くありません。
そもそも一つのテーマパークで必要な看護師の数は少なく、入れ替わりも激しくないようです。
個人でテーマパークの看護師求人を見るよりも、看護師求人サイトにテーマパーク看護師の求人がでればすぐに連絡をもらえるように依頼しておく方が手間も時間もかからないようです。
希望のテーマパークがある場合はその旨も求人サイトに伝えておきましょう。
テーマパーク看護師のメリット
・急変や処置などの激務に追われることはなく、定時で帰宅できる
医師もいない、物品や薬品もない状況でできる処置は限られています。
大ケガや体調の重篤な悪化も頻繁に起きる事ではありません。基本的にはテーマパークの楽しい雰囲気の中働くことができます。
・夜勤がない
開園時間は長いので、早番と遅番勤務がある場合いは多いですが、夜勤はありません。
夜勤があると他の仕事をしている人と都合を合わせるのが難しくなりますし、自分の健康面でも夜勤がないのはメリットと言えるでしょう。
・接客スキルを磨くことができる
病院でもホスピタリティが求められることが多くなり、看護師や医師の患者さんへの接し方について勉強会などがひらかれることも増えています。
まだまだ医師や看護師の態度は「上から目線」と言われてしまうことが多いです。
その点、テーマパークでは来場して頂いたお客様に楽しんで頂くことが最も大切で、接客のプロフェッショナルであるキャストとともに働くことで、そのスキルを磨くことができるでしょう。
テーマパーク看護師のデメリット
・GW、夏休みなどの長期休みは忙しくなる
GW、春休み、夏休み、年末年始など学生や一般の仕事の方が休みになる期間はテーマパークにとって稼ぎ時です。
休みがとりにくかったり、忙しくなったりします。
他の人が仕事をしている時に休みやすいのでどこに行っても空いているというメリットはあります。
・給与はあまり高くない
夜勤や手当がないこともあり、看護師の割に給与は低めなことが多いです。
あとがき
持病があったり、常に医療的な介助が必要だったりすると、テーマパークに行くことはとてもハードルが高いことになります。
車椅子を利用しているだけでも「テーマパークにはもう行けない」と考える方もいます。
様々な場所が誰でも楽しめるようにバリアフリー化がすすんでいます。
テーマパークでも環境を整えるとともに、看護師がサポートをする体制があることで、誰もが安全で安心して楽しめるようになるといいと思います。
(文:看護師chiyoiyo)
※掲載した情報は記事作成日(または更新日)時点のものです。
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